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【人工透析】 月曜日から土曜日 昼間・夜間 ≪休診日 日曜日・元日≫ ベット25床/最大収容能力100名 |

お酒やタバコをのんでいる人の話を聞きますが、お酒とタバコはやめなければいけないのでしょうか? |
まずはお酒について、透析を受けている方がお酒を飲むときに問題になるのは水分量です。体重の増加に気をつけて楽しむのであれば問題はないのですが、肝機能異常や糖尿病の方では話が別になります。主治医の先生に、お酒をやめなければいけない理由をお聞きになって下さい。 タバコは、やめることができればやめた方がよいです。 透析を受けている方は、動脈硬化症が進みやすいことがわかっています。その上にタバコ(ニコチン,一酸化炭素)を吸えばさらに動脈硬化を増悪させることになります。 |

透析をしている場合は、運動してはいけないのですか? |
透析患者さんの運動は、個人によってかなり異なります。主治医の先生とよく相談(腎性貧血,心機能の状態,骨の状況や合併症など)して、ご自分にあった運動を行うようにしましょう。 運動が適切に行われた時の良い点として、脂質代謝の改善,耐糖能の改善,抑うつ状態の改善などが期待されると言われています。しかし、脂質代謝や耐糖能の改善までは期待せず、気分転換として、また、筋力・体力維持として楽しまれればよろしいかと思います。どの程度の運動療法が良いのかは、きちんとした指針はありません。温水プールとジムに週1回通われる方、大型犬の散歩を毎日1時間される方、登山をされる方など様々です。しかし、できればご自分でやってみたい興味のある運動を継続して行うことが良いかと思われます。 |

透析を受けた日の入浴はいけないと言われましたが、 どうしていけないの? |
当クリニックでも、シャント感染の恐れがあるため原則として透析後の入浴はひかえて頂いています。ほかの多くの施設でも、透析後の入浴を禁止しているようですが、なかにはシャント側の腕を濡らさなければ(腕を上げてとか、ビニール袋で包んでから入る)入浴は差し支えない、としている透析施設もあります。当クリニックでも透析後に入浴・シャワーをされる方がいますが、通気・防水テープを使用し、尚かつ濡れないよう注意を払っているそうです。これまでのところ、その方にシャント感染が生じてはいません。 |

健康食品やサプリメントの利用はいいのでしょうか? |
透析を受けておいでの方でも、さまざまな健康食品やサプリメントを試している方がいらっしゃいます。しかし、透析を受けている方においては、好ましいものとそうでない場合があり、摂取されているものが必ずしも良いものなのかどうかは主治医の先生に確認することが一番確実だと思います。 参考程度に透析医療の観点から、健康食品・サプリメントについてを少しお話します。 ・ ビタミン剤 健康食品・サプリメントと聞いて、まず初めに思いつくのはビタミン剤です。水溶性ビタミン(B,Cなど)は透析性があるため、ある程度過剰に摂取しても副作用の心配はないと思われます。しかし、脂溶性ビタミン(A,D,E,K)は過剰に摂取すると体内に貯蔵され、副作用を引き起こすおそれがあるため避けていただきたいと思います。しかし、脂溶性ビタミンの中のビタミンのなかでは、Eに関してはAと違い蓄積による害はないようです。ビタミンDとKは、透析で処方されるクスリの中に入っていることがありますから、摂取されない方がよろしいと思います。 ・ アミノ酸 アミノ酸のサプリメントは、残っている腎臓の機能を悪化させることがあります。週1〜2回の透析の方や短時間透析の方の場合には、アミノ酸のたくさん含まれている健康食品は避けていただきたいと思います。
その他の健康食品では、クロレラやローヤルゼリー、プロポリスなどを服用されている方がいます。こういったものが、腎臓に良いかどうかはよく解らないのですが、アレルギー症状などを認める方がいますので、摂取される前に主治医の先生に相談したほうがよろしいかと思います。また、最近シャンピニオンというキノコの一種が、サプリメントとして話題になっています。腸内の細菌がインドールという物質を作るのを邪魔することによって、腎臓のはたらきを守る考えられています。インドールが腎臓に悪いことは明確なことなので、もしもシャンピニオンが、インドール産生を抑制できるのであれば、期待できるサプリメントです。 また、直接腎臓のはたらきを守るわけではないのですが、カルニチン(植物性たんぱく質)という健康食品は、透析患者さんの筋肉に対して好ましい作用があることが解っています。手足の筋肉はもちろんのこと体中の筋肉をはじめ、心臓も筋肉でできていますので、透析患者さんが摂取することは好ましいと思われます。 |

カリウム制限の設定数値は食品成分表の「生」の状態での数値なのでしょうか? |
このカリウムの設定数値は、食品成分表の「生」の状態での数値ではなく、食べて消化吸収される量で考えています。たとえば、生野菜にはカリウムがたくさん含まれますが、細かく切って水にさらしておくと、カリウムの量は1/5ほど減少します。また、茹でて、そのゆで汁を捨てるとカリウムの量は1/3くらい減少します。こうやって調理を工夫することや、実際に食べる量を気にして頂ければ、我慢していた野菜も多少なりとも摂れるようになると思います。しかし、調理の工夫によってもカリウムがゼロになるわけではありません。 |

リンについて気をつけた食生活をしていたら、今度はタンパク質が少ないといわれました。どのように摂ればよいのですか? |
タンパク質の摂取は、リンの制限と著しく関係しています。まず、リンの制限についてお話しします。 通常リンの制限をしない食事には、一日あたり800mgのリンが含まれ、1週間だと5600mgになります。一方、一回の透析で除去できるリンは1000mg程度です。そうなると、週に3回の透析として、1週間で3000mgのリンしか除去できません。ですから、どうしてもリン吸着剤や食事制限が必要となるわけです。リンはほとんどの食品に含まれていますが、その中でも乳製品・加工食品(ハムやかまぼこなどの練りもの)・豆類・海草・魚介類などに多いことはご存知のことと思います。 リンの高い患者さんが、ご自分でリンを強く制限し始めた時には、どうしてもタンパク質が不足しがちになってしまうものです。でも、暫くしてリンにたいしての意識が薄れてくると、リンもタンパク質も多くなってきます。ほとんどの方が、こういったリンの制限と緩和の時期を、意識の中で繰り返していくと思われます。制限と緩和の両時期のうち3日間の経口摂取したもの全てを記録して頂き(勿論、沈降炭酸カルシウムや塩酸セベラマー(レナジェル)を服用した時間もです)、リンの値が高い原因を根気よく探していくことが近道だと思います。 患者さんそれぞれのタンパク質の取り方やリンを摂ってしまいかた、また、有効な薬の飲み方を患者さんと医療者側が共有し、繰り返し話し合うことが食事恐怖症にならい方法だと思います。 |

薄い味の食事だと食欲がでません。少しでも食欲がわくにはどうしたらよいでしょうか? |
食欲がなくなってしまってどんどんやせていってしまうより、食欲がわきおいしく食べて頂いた方が良いことです。しかし、透析を受けている方の場合には食べ過ぎて体重が増えてしまっても困るわけです。薄味にする一番の理由は、塩分の制限をするためです。塩分をたくさん摂ると、その塩分を薄めようと多くの水分を摂りたくなり、その結果体重が増えてしまいます。ですから、食塩・味噌・醤油などの塩分が含まれている調味料は減らし、そのぶん、塩分が含まれていない調味料・香辛料を使って味付けをしてみる方法があります。旨味のある出汁,コショウ,唐辛子,わさびなどで工夫し、できるだけ塩分が多くならないように気をつけて頂きたいと思います。糖尿病のない方ならば、揚げ物や炒め物(カロリー制限がありませんから)を活用する方法もあります。 |

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